日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
小腸原発血管筋脂肪腫による小腸重積症の1例
仲野 哲矢塚原 明弘水木 亨池田 義之畠山 悟丸田 智章田中 典生小山 俊太郎下田 聡若木 邦彦
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2015 年 48 巻 6 号 p. 521-526

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抄録

 血管筋脂肪腫は血管,平滑筋細胞ならびに成熟脂肪細胞が混在する良性の間葉系腫瘍である.その多くは腎臓で認められ,腎臓以外の臓器で発生することは極めてまれである.今回,我々は小腸重積症で発症した小腸原発の血管筋脂肪腫の1例を経験したので報告する.症例は72歳の女性で,1年前から間欠的腹痛を自覚し,近医で内服加療されていたが腹痛の増悪を認め,精査目的に当院紹介となった.腹部骨盤部造影CT所見では,回腸の腫瘤性病変を先進部とする小腸重積を認め,小腸部分切除術を施行した.腫瘍は3.3×3.8 cm大のポリープ状の腫瘍で,表面平滑で一部にびらんを伴っていた.病理組織学的には多数の血管を伴った脂肪組織と平滑筋線維の増生を認め,血管筋脂肪腫と診断された.検索しえたかぎりでは,本邦および海外英文において小腸原発の血管筋脂肪腫の報告例は本例を含め4例のみであり,極めてまれな症例と思われたため報告する.

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