日本消化器外科学会雑誌
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原著
消化管間葉系腫瘍の術後再発危険因子とmodified Fletcher分類によるリスク分類の有用性の検討
山本 健人三木 明岡田 和幸市川 千宙松岡 亮介上原 慶一郎貝原 聡細谷 亮
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2015 年 48 巻 6 号 p. 473-480

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抄録
 目的:消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;以下,GISTと略記)のリスク分類は多数報告され,術後補助化学療法を行うための指標とされている.Modified Fletcher分類の妥当性を検討する.方法:2008年1月1日より2013年10月30日までの期間に当院で切除手術を施行し,病理組織学的にGISTと診断された40例の臨床病理学的解析を行い,Fletcher分類,Miettinen分類,modified Fletcher分類の各分類におけるリスク群間の再発率,無再発生存率を比較した.結果:男性26例,女性14例,平均年齢は64歳であった.原発巣は食道/胃/十二指腸/小腸において1/26/4/9例であった.Modified Fletcher分類におけるリスク分類は,超低/低/中/高リスク症例が5/10/4/21例であった.再発は4例に認め,modified Fletcher分類においてのみ,高リスク群は他の群と比べ有意に再発が多く(19.0% vs. 0% P=0.018),3年無再発生存率は低い傾向を認めた(75.7% vs. 100% P=0.094).結語:Modified Fletcher分類によるリスク分類は妥当である.Modified Fletcher分類において高リスク群に対しては術後補助化学療法を考慮すべきである.
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