日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
皮膚転移を来した胃癌の長期生存の1例
大内 慎一郎小棚木 均小棚木 圭吉楽 拓哉里吉 梨香工藤 和大澤田 俊哉吉川 雅輝榎本 克彦
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キーワード: 胃癌, 皮膚転移, 長期生存
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2016 年 49 巻 11 号 p. 1080-1089

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Abstract

症例は66歳の女性で,頭部腫瘤を自覚し当院を受診した.腫瘤の生検が粘液癌であり,他臓器癌からの皮膚転移と考えられた.このためCTを施行したところ胃の腫瘍が発見された.上部消化管内視鏡検査では胃体部前壁に5型進行癌を認め,生検にて皮膚腫瘍と同様の粘液癌であった.皮膚転移を伴う胃癌と診断しS-1による癌化学療法を行った.2クール施行後のCTでは胃癌が縮小し,他の遠隔転移も認めないことから胃全摘術を施行した.術後5年間S-1を投与し,10年経過したが再発は認めていない.転移性皮膚癌を伴う胃癌の予後は不良であるが,切除術と癌化学療法を効果的に行うことで長期生存を得ることが可能である.

はじめに

転移性皮膚癌は,原発性皮膚癌および造血臓器悪性腫瘍を除く内臓悪性腫瘍の皮膚転移と定義される1).内臓悪性腫瘍の皮膚転移は比較的少なく,本邦では2.8~6.7%と報告されている2)

転移性皮膚癌は原発巣の遠隔転移の1所見として認められるため予後は不良である3)4).今回,皮膚転移巣が先行した胃癌に癌化学療法と切除術を行うことにより長期生存を得た1例を経験したので報告する.

症例

患者:66歳,女性

主訴:頭部腫瘤

既往歴:特記すべきことなし.

現病歴:2004年3月,頭頂部に15 mmと10 mm大の二つの腫瘤を自覚し,4月に当院皮膚科を受診した(Fig. 1).局所麻酔下に3 mm大のパンチ生検を行い,病理組織学的検査では異型上皮が管状に増殖して不規則な腺管を形成し,核の大小不同とクロマチンの増加,多量のムチン産生を伴う粘液癌と診断された(Fig. 2).汗腺由来の皮膚悪性腫瘍か消化器などの他臓器癌の皮膚転移が考えられた.CTを施行したところ,胃に9 cm大の腫瘍を認め,上部消化管内視鏡検査では,胃体部の前壁に1/2周を占める5型胃癌を認めた(Fig. 3).生検では核の配列が不規則でクロマチンも増し乳頭状腺癌と粘液癌の像を呈しており,皮膚腫瘍と同様であった(Fig. 4).

Fig. 1 

A nodular tumor 15 mm in diameter was recognized on the scalp.

Fig. 2 

Histopathological findings of the scalp tumor reveal mucinous adenocarcinoma. (a) HE (×40), (b) PAS staining (×100).

Fig. 3 

Endoscopic examination shows a type V tumor on the anterior wall of the gastric body.

Fig. 4 

Histopathological findings of biopsy specimens from the gastric tumor show mucinous adenocarcinoma similar to the skin tumor (HE, ×100).

皮膚転移を伴うstage IV胃癌と診断した.このため癌化学療法の方針として当時の標準治療のS-1:100 mg/day 4週投与・2週休薬を1クールとして開始したが副作用のためS-1:80 mg/dayに減量し継続した.2クール後,皮膚転移巣は消退しCTでは胃癌の壁肥厚は2~3 cmから1.5~1.7 cmに減少した(Fig. 5).肝臓や肺などに遠隔転移はみられず,癌化学療法が転移巣と原発巣に奏効し縮小も認められたため手術を行う方針とした.

Fig. 5 

a: Abdominal enhanced CT shows the low density area around the gastric wall due to gastric cancer. b: After two cycles of chemotherapy, the low density area decreased.

2005年1月胃全摘術,R-Y法再建を施行した.

当時の胃癌取扱い規約第12版ではUM,前,5型,T3(SE),N2(+),P0,H0,CYx,M1(SKI),stage IV,PM(−),DM(−),D2,curC,病理組織学的検査ではmuc(Fig. 6),ss,INFβ,ly2,v2,n2(No. 1:1/2 No. 3:2/3 No. 4d:0/2 No. 7:0/5 No. 8a:0/3 No. 11p:3/5),ow(−),aw(−)で,化学療法の組織学的効果判定では癌胞巣は多くの細胞が壊死に陥りGrade 2であった.免疫染色検査では胃癌,皮膚腫瘍ともcytokeratin7が陽性でcytokeratin20は陰性であった.また,皮膚腫瘍は汗腺系腫瘍のマーカーであるgross cystic disease fluid protein-15(以下,GCDFP-15と略記)が陰性を示した.粘液形成の検索では胃癌でMUC5AC陽性と陰性の腫瘍細胞の混在がみられ全体像としては弱陽性像を認めた.一方,皮膚腫瘍のMUC5ACは陰性であった.両病変のMUC6とMUC2が陰性で胃癌(MUC5AC陰性の腫瘍細胞)の皮膚転移と考えられた(Fig. 7).

Fig. 6 

a: Macroscopic findings of the resected specimen show a type V tumor on the anterior wall of the gastric body. b: Histopathology of the resected tumor reveals mucinous adenocarcinoma (HE, ×100).

Fig. 7 

Immunohistochemical findings for cytokeratin 7 in the scalp tumor (a) and the gastric cancer (b) are positive (×100). Immunohistochemical findings for MUC5AC in the scalp tumor were negative (×100), and slightly positive in the gastric cancer (×200). Immunohistochemical findings for GCDFP-15 in the scalp tumor are negative (×100). Immunohistochemical findings for cytokeratin20, MUC2, and MUC6 in the scalp tumor and the gastric cancer are negative (×100).

術後S-1による癌化学療法を5年間継続した.胃切除後10年になるが,再発は認められていない.

考察

転移性皮膚癌の原発巣としては肺癌が最も多く,次に女性では乳癌,男性では胃癌が多い3)~5).胃癌の皮膚転移の頻度は2%1)で転移部位は原発巣に近い胸腹部に多く,血流の豊富な頭皮や顔面に転移することもある6)

転移巣の形態は結節型(nodular type),炎症型(inflammatory type),硬化型(sclerodermoid type)に分類される7).結節型は皮内または皮下の淡紅色の境界明瞭な結節で一定の大きさになるとそれ以上大きくならず,数のみが増加して全身に広がる独特な形態を示す8).また,炎症型は胸・腹部に紅班9)としてみられるものであり,熱感や疼痛などの炎症所見を伴う場合には丹毒様皮疹10)として分けられている.硬化型11)は紅色の硬い丘疹が集族,融合して板状硬結を形成するもので,特に凹凸不整が高度になりあたかも鎧を着たような外観を呈した場合に鎧状癌12)ともいわれる.胃癌皮膚転移の形態として関ら13)の集計では,結節型が50%と最も多く,炎症型が32.5%(丹毒様20%,紅班12.5%)で,硬化型が12.5%と頻度が少なくなる.自験例では結節型であった.

医学中央雑誌でキーワード「胃癌」,「皮膚転移」で検索すると(1977~2015年8月,会議録を除く)胃癌の皮膚転移症例は120例で,このうち病理結果や予後の明らかな報告例を集計した.性差は男性が26例,女性は30例と女性の頻度が高い.皮膚転移を来す胃癌の病理組織像は低分化腺癌が21例(43%),印環細胞癌18例(36%)とほとんどを占め,次に中分化腺癌5例(10%)であった.一方,皮膚転移巣の病理組織像は印環細胞癌が23例(46%),低分化腺癌が18例(36%)で印環細胞癌が多くなっていた.

自験例は頭頂部の結節性腫瘤として認められ,病理組織診断では豊富なムチンを産生する粘液癌で,比較的まれにみられる汗腺由来の粘液癌14)か,肺癌,乳癌,消化器癌などを原発巣とする粘液癌の皮膚転移15)かが鑑別診断となった.しかし,両者を病理学的に鑑別することは困難であったため全身検索が重要となった14).自験例は胃に腫瘍を認め,生検で頭皮の結節と同じ粘液癌の組織像を呈した.免疫染色検査では皮膚腫瘍が汗腺由来の粘液癌で陽性を示すGCDFP-1514)が陰性であった.また,胃腺窩上皮の粘液マーカーであるMUC5ACの感度は胃癌では50~100%と報告されている16).胃病変でMUC5ACが陽性の腫瘍細胞と陰性の腫瘍細胞の混在を認め,皮膚病変でMUC5ACが陰性であったことは,胃病変内に認められるMUC5AC陰性の腫瘍細胞が皮膚転移を来したものと考えられた.

皮膚転移を伴う胃癌において,自験例のように皮膚転移が胃癌に先行する割合は,1施設で30年間の集計を基にした清原ら4),福井ら17)の胃癌14例中皮膚転移先行の3例,多施設の共同研究により10年間の集計を行った堀ら3)の胃癌15例中4例などの報告があり20~25%の頻度といえる.

皮膚転移が先行した報告例をTable 110)11)18)~33)に示した.性差では男性8例,女性10例と女性の割合が高い.結節型が11例と多く,炎症型が4例,硬化型の3例の順であった.皮膚転移巣の病理組織像は印環細胞癌が9例,低分化腺癌6例,腺癌2例と印環細胞癌が多く認められた.胃癌の病理組織像は2例を除き皮膚転移巣と一致していた.一般に皮膚転移巣は原発巣と同一の組織学的構造を失わないか,あるいは原発巣に比べ低分化を示す傾向があるといわれている5)17).胃癌の先進部の組織が低分化に変化し浸潤していくためと考えられている11).予後をみると皮膚転移から死亡までの期間は2か月から12か月で平均6か月であった.生存例は皮膚転移以外に遠隔転移が認められず,胃切除や化学療法が奏効している場合に認めることができる.自験例においても孤立性の皮膚転移で抗癌剤が奏効して皮膚転移巣が消褪し,さらに原発巣も縮小し胃切除を施行できたため長期生存が得られた.

Table 1  Reported cases of patients with cutaneous metastasis prior to detection of gastric cancer
No Author Year Age Sex Portion of metastasis Multiple or Solitary Type of metastasis Histology of biopsy specimen Histology of gastric cancer Treatment Other metastasis Prognosis (month)
1 Tanaka18) 1990 64 male axilla Solitary nodular por por gastrectomy no 28 month alive
2 Miyashita19) 1991 52 male face, body Multiple nodular sig sig radiotherapy/5-FU no 12 month alive
3 Tokuhashi20) 1993 43 male chest Multiple inflammatory adenocarcinoma por chemothrapy bone 8 month dead
4 Kawakami21) 1993 47 male abdomen Multiple nodular sig sig no Pc 2 month dead
5 Jyono22) 1993 59 female chest, neck Multiple nodule sig sig chemothrapy liver, ovary 6 month dead
6 Horinosono23) 1995 36 female abdomen Solitary nodule sig sig chemothrapy Pc ND
7 Yonahara24) 1996 73 male lip, scalp Multiple nodular por ND resection ND 6 month dead
8 Umemori25) 1997 80 female chest Solitary nodule por por gastrectomy/resection no 7 month alive
9 Yoshida26) 2005 61 female shoulder Solitary nodule sig sig S-1 no ND
10 Matsumura27) 2006 73 female chest, abdomen Multiple nodule sig sig chemothrapy peritoneum, bone 2 month dead
11 Ito10) 2006 75 female perineum Multiple inflammatory sig sig S-1 ND ND
12 Fukuda28) 2007 56 female abdomen Solitary inflammatory por por CDDP/S-1 no 12 month alive
13 Takei29) 2007 53 male scrotum Solitary sclerodermoid por por S-1 Pc 7 month dead
14 Saotome30) 2008 67 male jow Solitary nodular adenocarcinoma adenocarcinoma ND liver, lung ND
15 Umehara11) 2010 63 female abdomen Multiple sclerodermoid por sig S-1/Paclitaxel no 24 month alive
16 Suzuki31) 2011 57 female abdomen Multiple inflammatory sig sig chemothrapy bone, lung, ovary 12 month dead
17 Ogawa32) 2013 57 male umbilicus Solitary nodule ND well chemothrapy no 5 month dead
18 Kimura33) 2013 85 female chest, abdomen Multiple sclerodermoid sig sig no no ND

sig: signet ring cell carcinoma, por: poorly differentiated adenocarcinoma, well: well differentiated adenocarcinoma, resection: resection of the skin metastasis, ND: not documented, Pc: peritonitis carcinomatosa

胃癌の皮膚転移に対して抗癌剤が奏効した報告例をみると,女澤ら34)は皮膚,卵巣,骨転移を伴った胃癌に対し5-FU/CDDP投与,骨転移が疑われたためCPT-11/CDDPに変更し生活の質を損なわず3年2か月間生存した例を報告している.また,胃癌術後の再発例においては,森ら35)の術後1年で皮膚転移を来したためdocetaxel+doxifliridineを投与し3週後に皮膚転移巣の消失がみられ1年以上再発を認めない例がある.また,松岡ら36)は術後11年目に出現した皮膚と卵巣の再発に対しS-1+CDDP投与により8か月目には皮膚腫瘍がほぼ消失し22か月間生存した例を報告している.自験例ではS-1単独投与で皮膚転移巣が消失した.S-1の皮膚移行性は胃組織への移行とほぼ同程度であるため皮膚転移巣への奏効率は50%前後と報告されており,治療効果のみられることが指摘されている11)

さて,胃癌の皮膚転移の進展形式には本例のように孤立性にみられる場合と多臓器の遠隔転移の一部として認められる場合,さらに胃切除後,長期にわたり再発なく経過した後に晩期再発として出現してくる場合がある.術後10年以上も経過して皮膚36)や臍37)38)に転移が認められた報告例もあり,このような長い経過をたどる症例に関しては癌細胞の増殖とapoptosisのバランスが保たれるtumor dormancyの状態であると考えられている39).さらに,CDDP,ADM,MTX,UFT などの抗癌剤がapoptosisを介してtumor dormancyを誘導することが明らかになっている40).胃切除の時点で微小転移巣が存在し,休眠状態が長期にわたって継続し,何らかの作用で微小転移巣が賦活化され再発巣を形成するものと考えられている.

自験例のように孤立性の遠隔転移が認められる場合の手術に関しては,減量手術の意義を検証したREGATTA 試験(JCOG0705)の解析結果が報告されている41).一つの非治癒因子のみを有する治癒切除不能進行胃癌に対する胃切除および術後化学療法は,癌化学療法単独に比べ,全生存期間が改善しないことが明らかにされた.また,胃癌の部位別に検討を行った結果,上部胃癌では癌化学療法が胃切除および術後化学療法より生存率が高いことが示された(ハザード比2.59).胃全摘術が必要な上部胃癌では,胃切除術と術後化学療法を行う減量手術より癌化学療法のほうが有用であると結論づけている.したがって,自験例の皮膚転移を伴うstage IVの上部胃癌は全身化学療法が推奨される.しかし,一方では新規抗癌剤の導入により遠隔転移を伴う治癒切除不能の症例において,癌化学療法が奏効し治癒切除が可能となり外科治療に変更するconversion therapyの意義が検討されている42).胃癌の主な転移部位であるリンパ節,腹膜播種,肝転移などにおけるconversion therapyの報告をみるとリンパ節転移に関してはJCOG0405試験43)が行われた.大動脈周囲リンパ節No16a2/16b1リンパ節に限局して転移がみられる症例に術前S-1+CDDPを投与し胃原発巣と大動脈周囲リンパ節を切除する戦略で検証が行われ,5年生存率が57%と予後改善効果が認められている.腹膜播種症例には石神ら44)のS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法が実施され,併用療法奏効後に切除した62例の生存期間中央値は34.5か月に対し,非切除38例は13か月であった.腫瘍遺残のないR0症例の5年生存例は39%で,手術を施行せず癌化学療法のみで3年以上生存した腹膜播種例の経験や報告がないことを考慮すると手術の貢献度が大きいことを示唆している.肝転移例では西野ら45)の門脈腫瘍塞栓と単発性肝転移を伴うstage IVの切除不能胃癌にS-1+CDDPを投与し肝転移巣の縮小と門脈腫瘍塞栓の消失を認め,手術を施行して12年生存の報告がある.また,宮本ら46)の孤立性肋骨転移を伴う胃癌に,S-1による癌化学療法を行い肋骨転移が画像上消失し,胃切除を施行して2年5か月再発なく経過した例が報告されている.これらの報告はstage IV胃癌において癌化学療法が奏効した場合の外科治療へのconvertが意義をもつことを示すものといえる.

皮膚転移後2年以上生存した報告例をTable 26)11)15)18)34)47)に示した.自験例のように癌化学療法が奏効し外科的な治療を行った例はなく,皮膚転移後10年間生存した報告もない.皮膚転移を伴う胃癌の長期生存の条件としては,先ず,癌化学療法が原発巣および転移巣に奏効すること,縮小効果が認められた時点で外科的切除術にconvertすること,そして,皮膚転移以外に遠隔転移がないことが必要である.

Table 2  Reported cases of patients who survived more than two years after diagnosis of cutaneous metastasis
No Author Year Age Sex Treatment of gastric cancer Histology of gastric cancer Adjuvant therapy Interval between gastrectomy Histology of metastasis Multiple or Solitary Type of metastasis Other metastasis Treatment for skin metastasis Postrecurrence prognosis
1 Tanaka18) 1990 64 male gastrectomy por ND prior por Solitary nodular no ND 28 month alive
2 Makino47) 1993 75 female gastrectomy tub2 tegaful 3 years adeno Multiple inflammatory no CDDP 42 month alive
3 Takada15) 1999 65 female gastrectomy+splenectomy muc 5-DFUR 4 month muc Solitary nodular no resection 31 month alive
4 Mezawa34) 2003 40 female no por ND same por Multiple nodular bone, ovary low dose FP and CPT-11/CDD 38 month dead
5 Umehara11) 2010 63 female no sig ND prior por Multiple sclerodermoid no S-1/Paclitaxel 24 month alive
6 Endo6) 2013 65 male gastrectomy por no 7 years por Solitary nodular no resection and radiation 72 month alive

sig: signet ring cell carcinoma, por: poorly differentiated adenocarcinoma, tub2: moderately differentiated adenocarcinoma, muc: mucinous adenocarcinoma, adeno: adenocarcinoma, ND: not documented.

また,自験例の術後の癌化学療法に関しては術前に治療効果のあったS-1を5年間継続投与した.遠隔転移を伴うstage IV胃癌は腫瘍遺残のないR0の切除が可能であっても,術後の全身化学療法の継続はコンセンサスが得られることと考えられるが,投与薬剤や投与期間に関してはエビデンスがないのが現状である48)

皮膚転移のみられる胃癌はstage IVの進行癌として全身化学療法の適応とされているが,自験例のように抗がん剤に反応する孤立性の皮膚転移を伴う胃癌においては外科手術を加えることで長期生存が得られることがあり,切除を検討する意義があると考えられる.

利益相反:なし

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