門脈主枝腫瘍栓を伴う肝細胞癌（hepatocellular carcinoma with portal vein tumor thrombus；以下，VP-HCCと略記）5例と術前経皮的門脈塞栓術（percutaneous transhepatic portal vein embolization；以下，PTPEと略記）施行例14例を対象に，肝体積切除率および機能的肝切除率から予後得点（prognosis score；以下，PSと略記），修正予後得点（modified prognosis score；以下，mPSと略記）を算出し切除安全限界予測における意義を検討した．PSで危険域とされたがmPSで安全域または境界域となった症例に右肝切除または左3区域切除を行ったがいずれも術後肝不全は来さなかった．肝機能不均一分布が予想されるVP-HCCやPTPE例における切除安全限界予測は，PSだけでなくmPSを参考にするのが合理的と考えられた．
