2022 年 55 巻 3 号 p. 156-164
症例は72歳の女性で,肝S6転移を伴う胃体上部小彎の胃癌でSOX療法を開始した.3コース後のCTでpartial response(以下,PRと略記)と判断し,胃全摘,D2(-10),肝S6部分切除,ルーワイ法再建術を施行(病理:ypT3,ypN1,ypM1,ypStage IV),術後SOX 3コース,S-1 2コースを施行した.術後1年のCTで肝S4,S7転移が出現,Nab-PTX+Rmab療法3コース後のCTでPRと判断し,肝S7腫瘍にRFA施行後,肝S4部分切除術を施行,術後S-1+DOC療法を開始した.7コース後のPET-CTで肝門部リンパ節に異常集積が出現,CapeOX療法に変更し,3コース後に異常集積が消失したため,肝門部リンパ節郭清術を施行した.術後CapeOX療法を再開し,7コース施行後にGrade 2の血小板減少を認めたためcapecitabine単剤に変更,治療開始後4年が経過したが,新たな転移再発なく外来通院中である.
We report a long-term survival case following successful multidisciplinary treatment for advanced alpha-fetoprotein-producing gastric cancer. A 72-year-old female received S-1+oxaliplatin (SOX) therapy for advanced gastric cancer in the lesser curvature of the upper gastric body with liver metastasis in S6. After 3 courses of SOX, CT showed marked decreases of the gastric primary tumor and the liver metastasis. Total gastrectomy with D2 (-#10) lymph node dissection and metastasectomy in S6 of the liver were performed. The pathological findings were ypT3,ypN1,ypM1,ypStage IV. Adjuvant chemotherapy with 3 courses of SOX and 2 courses of S-1 was administered. Since CT revealed liver metastases in S4 and S7 at 1 year after the radical operation, nab-paclitaxel+ramucirumab (Nab-PTX+Rmab) therapy was initiated. After 4 courses of Nab-PTX+Rmab, CT showed marked shrinkage of both liver metastases. Radiofrequency ablation for the metastasis in S7 and metastasectomy in S4 of the liver were performed. S-1+docetaxel therapy (S-1+DOC) was administered as adjuvant chemotherapy. After 7 courses of S-1+DOC, FDG-PET CT showed increased accumulation of FDG in the hepatic portal lymph node, and a capecitabine+oxaliplatin (CapeOX) regimen was started. Accumulation of FDG in the hepatic portal lymph node disappeared after 3 courses of CapeOX; therefore, hepatic portal lymph node dissection was performed. CapeOX therapy was resumed after the operation. Since Grade 2 thrombocytopenia continued after 7 courses of CapeOX, this therapy was switched to capecitabine monotherapy. The patient is currently alive with no sign of recurrence for 4 years since the beginning of the multidisciplinary therapy.
近年,進行胃癌に対する化学療法を含めた集学的治療の進歩により治療成績は向上しているが,遠隔転移を有する進行胃癌の予後は依然として不良である.特に,Alpha-fetoprotein(以下,AFPと略記)産生胃癌は,高率に肝転移やリンパ節を伴う高度進行胃癌として発見されることが多く,予後不良な癌腫の一つとされている1).
今回,我々は同時性肝転移を有するAFP産生進行胃癌に対して化学療法を先行後に胃全摘および肝部分切除術を施行し,その後の残肝再発や肝門部リンパ節転移に対しても,化学療法や局所・手術療法を含めた積極的な集学的治療により長期生存が得られている1例を経験したので報告する.
患者:72歳,女性
主訴:空腹時胃部不快感,嘔気
既往歴:特記すべき既往なし.
現病歴:2017年2月,空腹時の胃のむかつきと嘔気を主訴に近医を受診した.投薬治療を受けたが改善しないため,4月,前医に紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査で,噴門直下の胃体上部小彎に2型腫瘍を認めたため,当科紹介となった.
入院時現症:身長148 cm,体重53.1 kg,血圧118/73 mmHg,脈拍62回/分,腹部は平坦・軟で腫瘤を触知しなかった.
血液検査所見:一般血液・生化学検査では異常を認めなかった.腫瘍マーカーがAFP 156 ng/ml,CEA 192.2 ng/mlと上昇していた.
上部消化管内視鏡検査所見:噴門直下の胃体上部小彎側に2型腫瘍を認め(Fig. 1a),生検結果はGroup 5,adenocarcinomaであった.
(a) Gastrointestinal endoscopic findings revealed a type 2 tumor in the lesser curvature of the upper gastric body. (b, c) Abdominal CT and MRI showed wall thickness in the lesser curvature of the upper gastric body and a metastatic liver tumor in S6, respectively. (d–f) The gastric primary tumor and liver metastasis both decreased after 3 courses of SOX therapy.
胸腹骨盤造影CT所見:胃体上部小彎に造影効果の増強を伴う壁肥厚を認めた(Fig. 1b).漿膜面の毛羽立ち像は認めなかった.肝S6の右下肝静脈下縁に25 mm大の不整な造影結節を認めた.
腹部MRI所見:肝S6に肝細胞相で欠損する腫瘤であり,胃癌の同時性肝転移と判断した(Fig. 1c).以上より,臨床病期は,cT3,cN1,cM1(liver),cStage IVと診断した.
治療経過:右下肝静脈に近接した肝転移を伴うStage IV胃癌であり,化学療法を先行する方針とした.G-SOX療法に準じ2),2017年5月よりSOX(S-1 80 mg/m2 day 1~14,oxaliplatin(以下,l-OHPと略記)100 mg/m2 day 1,3週毎)を開始した.3コース施行後の上部消化管内視鏡検査で,腫瘍の縮小を認め(Fig. 1d),CTでは,胃体上部小彎の壁肥厚は改善し(Fig. 1e),CTかつMRIで肝S6転移巣は12 mm大と50%以上の縮小を認めたため(Fig. 1f),partial response(以下,PRと略記)と判断し,ycT3,ycN1,ycM1(liver),ycStage IVの術前診断で手術の方針とした.
手術所見:2017年8月,開腹胃全摘 ,D2郭清(-#10),肝S6部分切除,Roux-en-Y再建,胆囊摘出術を施行した(Fig. 2a).手術時間は7時間20分,出血量は271 mlであった.
(a) Macroscopic appearance of the resected specimen after total gastrectomy and metastasectomy in S6 of the liver. (b) Histological findings for the primary gastric cancer showed well to moderately differentiated adenocarcinoma (HE staining, ×100). Scale bar: 250 μm. (c) Immunohistochemical staining for AFP was positive for the primary gastric cancer (×100). Scale bar: 250 μm.
病理組織学的検査所見:U-Less,5,tub2/tub1,ypT3,int,INFβ,ly1a,v1a,ypN1(1/26 #3),ypH1,P0,CYx,M0,ypStage IV(Fig. 2b),化学療法効果判定は Grade 1a であり,免疫組織染色検査でAFP陽性であった(Fig. 2c).
術後経過:術後経過は良好で,術後7病日に軽快退院となった.術後,腫瘍マーカーはAFP 5.0 ng/ml,CEA 3.8 ng/mlと正常化した.術後補助化学療法として,S-1単剤では不十分と考えられ,術前に施行したSOX療法の病理学的効果はGrade 1aであったものの,臨床的な縮小効果および血清AFP値の低下を認めていたことから,SOX療法を継続する方針とし,2017年10月よりSOX療法を再開した.術後3コース施行後のCTで新たな転移再発を認めなかったが,Grade 3の好中球減少,食思不振,体重減少を認めたため,2018年1月よりS-1単剤療法に変更した.S-1を2コース施行後に本人より化学療法の中止希望があり中止した.中止後も低栄養が遷延したため,在宅での経鼻経管栄養を併用した栄養管理を2か月間施行,体重の増加および栄養状態の改善が見られたため,経管栄養を終了し,外来で経過観察していた.
2018年8月,術後1年経過時の血液検査で,AFPが281.2 ng/mlと上昇し,CTで肝S7に転移を認めた.腹部造影MRIで,肝S7に26 mm大,さらに肝S4にも22 mm大の転移巣を認め(Fig. 3a, b),両葉への多発肝転移であることから,化学療法の方針とし,nab-paclitaxel(以下,Nab-PTXと略記)+ramucirumab(以下,Rmabと略記)併用療法(Nab-PTX 100 mg/m2 day1,8,15+Rmab 8 mg/kg day1,15,4週毎)を行う方針とした.4コース施行後のCTおよびMRIで,肝S7転移巣は16 mm大,肝S4転移巣は14 mm大に縮小しており(Fig. 3c, d),新規肝転移巣を認めず,その他の遠隔転移巣を認めていないことから,再肝転移巣に対する切除を含む局所療法は可能と判断し,Nab-PTX+Rmab併用療法を中止した.初回の手術でS6部分切除を行った際,右葉を完全授動しており,また,Nab-PTX+Rmab併用療法によるADLの低下も認めていたため,再び授動して肝S7部分切除術を施行することは患者への侵襲が大きいと判断し,肝S7転移巣に対してラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation;以下,RFAと略記)を,肝S4転移巣に対して部分切除術を行う方針とし,2018年12月,肝S7転移巣にRFAを施行後,2019年1月,肝S4部分切除術を施行した(Fig. 4a).手術時間は1時間40分,出血量はごく少量であった.術後経過は良好で,術後5病日に軽快退院となった.病理診断は胃癌の肝転移であり(Fig. 4b),化学療法効果判定は Grade 1a,免疫組織染色検査でAFP陽性であった(Fig. 4c).術後,AFPは5.1 ng/mlと正常化した.2019年2月よりS-1+docetaxel(以下,DOCと略記)療法(S-1 80 mg/m2 day1~14,DOC 40 mg/m2(2~7コース),day1,3週毎)を開始した.2019年8月,7コース施行後のCTで,肝門部に軟部陰影が出現,PET-CTでも同部位に異常集積を認め(Fig. 5a),AFPも50.6 ng/mlと上昇したため,肝門部リンパ節転移と診断し,progressive diseaseと判断した.Nab-PTX+Rmab療法の再導入を考慮したが,S-1と同様に胃癌化学療法のkey drugの一つであるcapecitabineが未使用であること,また,l-OHPを中止後1年6か月経過しており,末梢神経障害がなく,l-OHPの再導入により効果が得られる可能性があることを考慮し,CapeOX療法(capecitabine 1,250 mg/m2,day 1~14,l-OHP 130 mg/m2,day 1,3週毎)を開始した.3コース後のCTで肝門部リンパ節は著明に縮小し,PET-CTで同部位の異常集積が消失し,その他にも遠隔転移巣を認めないためPRと判断した(Fig. 5b).胃癌の再々発としての肝門部リンパ節転移に対する化学療法奏効例の明確な治療戦略は定まっていないが,近年,手術不能胃癌や再発胃癌に対する化学療法奏効後のR0切除により無再発生存や長期予後が得られている症例報告や臨床研究が多数報告されていることから,conversion surgeryを施行することにより,メリットとして長期予後,さらには治癒が得られる可能性があること,一方,デメリットとして手術に伴う合併症により予後が短縮してしまう可能性があることや術後のコンプライアンス低下により術後化学療法の継続が困難になること,また,化学療法を継続するメリットとして効果が継続するかぎり予後の延長が期待できること,デメリットとして治癒する可能性は極めて低いこと,いずれは治療効果が期待できなくなること,有害事象の遷延により化学療法の継続が困難になることなど,十分なinformed consentを行ったうえで,手術を希望されたため,化学療法を中止して手術の方針とし,2019年10月,開腹肝門部リンパ節郭清術を施行した.手術時間は1時間45分,出血量はごく少量であった.術後経過は良好で,術後5病日に軽快退院となった.病理診断は胃癌の転移であり(Fig. 6a),化学療法効果判定は Grade 1aで,免疫組織染色検査はAFP陽性であった(Fig. 6b).2019年11月よりCapeOX療法を再開したが,術後7コース施行後にGrade 2の血小板減少が出現し遷延したため,2020年6月よりcapecitabine単剤療法に変更した.治療開始後4年が経過したが(Fig. 7),新たな転移再発なく外来に通院されている.
(a, b) MRI showed liver metastases in S4 and S7 at one year after the first radical operation. (c, d) Both liver tumors showed marked shrinkage after 3 courses of Nab-PTX+Rmab therapy.
(a) Macroscopic view of the resected specimen of the liver metastasis in S4. (b) Histological findings for the liver tumor in S4 showed metastatic adenocarcinoma from gastric cancer (HE staining, ×100). Scale bar: 250 μm. (c) Immunohistochemical staining for AFP was positive in the metastatic liver tumor in S4 (×100). Scale bar: 250 μm.
(a) FDG-PET CT revealed increased accumulation of FDG in the hepatic portal lymph node. (b) Accumulation of FDG in the hepatic portal lymph node disappeared after 3 courses of CapeOX therapy.
(a) Histological findings for the hepatic portal lymph node showed metastatic adenocarcinoma from gastric cancer (HE staining, ×100). Scale bar: 250 μm. (b) Immunohistochemical staining for AFP was positive in the metastatic lymph node (×100). Scale bar: 250 μm.
Clinical course and transition of serum AFP level.
AFP産生胃癌は,血清AFP値が高値かつ癌の消長に相関する胃癌,または免疫組織学的にAFPが腫瘍組織に陽性となる胃癌と定義されている3)4).
AFP産生癌の頻度は全胃癌の1.5~5.4%程度であり5)6),脈管侵襲が高度で,高率に肝転移やリンパ節転移を来し,生物学的悪性度の高い予後不良な胃癌とされる1).
AFP産生胃癌の生存期間中央値は14か月,5年生存率は22~34%と報告され5)~7),切除後の再発率も高く7),早期癌での術後早期再発例も散見される8)9).AFP産生進行胃癌に確立された化学療法はなく,胃癌ガイドラインに準じて化学療法を行うのが通常であるが10),近年,化学療法や手術療法などを組み合わせた集学的治療により長期生存が得られている報告が散見し,予後も以前に考えられていたほど不良ではないとの報告もある11)~14).Kochiら11)は,5-FU,leucovorin,etoposideおよびcisplatinによる多剤併用化学療法を施行したStage IV胃癌の治療成績を,AFP産生胃癌群とAFP非産生胃癌群の間で比較検討したところ,奏効率では70%対31.9%,conversion surgeryへの移行率では40%対12.8%と,いずれもAFP産生胃癌群で有意に良好であったと報告している.AFP産生胃癌に対する,より効果的な化学療法の存在が示唆され,今後さらなる検討が必要と考えられる.
Adamら15)の報告では,胃癌肝転移切除症例の生存期間中央値は15か月,5年生存率は27%であり,他癌腫同様,胃癌肝転移は予後不良因子の一つである.胃癌治療ガイドライン第5版では,胃癌肝転移の個数が少数かつ他の非治癒因子がない場合に外科的切除を弱く推奨すると記載されているが,手術適応に関する明確な基準は明記されていない10).一方,Yoshidaら16)17)は,単発,5 cm未満かつ肝静脈・門脈に近接していない胃癌肝転移症例に対して根治切除術もしくは術前化学療法を,多発,5 cm以上または肝静脈・門脈に近接している肝転移症例に対しては,化学療法が奏効し,切除可能となればconversion surgeryを実施することを提唱している.本症例も,術前SOX療法により原発巣および肝転移巣の縮小効果が得られ,術中出血量の増多を来すことなく安全に根治的切除術を施行することが可能であった.
また,胃癌肝転移に対するRFAに関しても,胃癌治療ガイドライン第5版には記載されていない10).Gunerら18)は胃癌肝転移症例に対する肝切除施行群(68例)とRFA施行群(30例)の治療成績を後方視的に検討し,全生存期間中央値,術後3年の全生存率および無増悪生存率で肝切除群が24か月,40.6%および30.4%,RFA群が23か月,43%および37.4%と両群間に有意差を認めなかったと報告している.一方で,Liら19)は,胃癌肝転移症例に対する肝切除群(46例)とRFA・肝動脈塞栓術(transcatheter arterial chemoembolization;以下,TACEと略記)のいずれか単独あるいは併用群(73例)を比較した後方視的検討で,術後5年の全生存率が肝切除群では24.4%に対し,RFA・TACE群では12.2%と肝切除群が有意に良好であったと報告している.本症例では,2か所の再肝転移であったが,S4とS7に生じた両葉多発肝転移であったため,Nab-PTX+Rmab併用療法をまず施行し,奏効が得られた.両転移巣を切除する方針も考慮したが,Nab-PTX+Rmab併用療法によるADLの低下がみられていたこと,また,初回手術で肝右葉を完全授動しており,再授動後の肝切除に時間を要し,出血量の増加も懸念されたため,手術侵襲を最小限に抑えて術後合併症を防ぎ,回復後早期に術後化学療法を導入する方針とし,まずS7転移巣に対しRFAを施行した後,S4転移巣に対し肝部分切除術を施行した.ADL低下症例やハイリスク症例では,RFAの併用も治療オプションの一つとなりえると考えられる.
本症例では再肝転移切除後にS-1+DOC療法を開始したが,約半年後に肝門部リンパ節転移を来した.Nab-PTX+Rmabの再導入を検討したが,その前にCapeOX療法の導入を選択した.Capecitabineは,capecitabineから代謝される5'-ドキシフルリジンが腫瘍組織に存在するチミジンホスホリラーゼにより腫瘍細胞内で5-FUに変換されることにより抗腫瘍効果を発揮する薬剤であるのに対し20),S-1は,ギメラシルがテガフールより変換される5-FUの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼを選択的に阻害することにより,5-FUの血中濃度を上昇させ,抗腫瘍効果を増強させる薬剤であり21),同じフッ化ピリミジン製剤ではあるが,作用機序のメカニズムに若干の相違がある.また,本症例では,初回根治術後の術後化学療法として施行したSOX療法を有害事象のために中止したが,progressive diseaseとなったために中止したわけではない.それらを考慮すると,capecitabineとl-OHPの併用療法で奏効が得られる可能性があると判断し,再肝転移巣切除後の肝門部リンパ節転移に対してCapeOX療法を施行したところ,治療効果が得られ,リンパ節切除術に移行できた.大腸癌の領域では,l-OHP治療歴のある切除不能大腸癌患者に対し,3rd line以降にl-OHPを再導入したレジメンが奏効した報告が散見される22)~25).医学中央雑誌(2000年1月~2021年1月)において,「胃癌」,「オキサリプラチン」,「再導入または再投与」をキーワードとして検索したが,1例も報告がなく,胃癌治療に外挿できるevidenceは現時点ではないが,本症例のようなケースではl-OHPの再導入を考慮したレジメンも治療オプションの一つとなりえると考えられる.
肝転移やリンパ節転移を伴うAFP産生進行胃癌は予後不良であるが,化学療法や局所療法および手術療法を駆使した集学的治療によって長期予後が得られる可能性があり,また,胃癌に対するkey drugを十分に考慮し,しっかりと使い切ることが予後の延長に寄与すると考える.
利益相反:なし