日本消化器外科学会雑誌
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本邦における胆嚢癌の外科療法の趨勢
横山 育三田代 征記今野 俊光持永 瑞恵中熊 健一朗村田 悦男
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1980 年 13 巻 12 号 p. 1362-1368

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抄録
わが国における胆嚢癌の現段階における外科療法の趨勢を知る目的で, 1960年から1978年の19年間の全国アンケート調査を施行した. わが国の外科診療施設で取扱われる胆嚢癌症例数は60歳台がピークで, 男女比は1: 2で, 女性に多く, 胆石合併率は58.8%で, コ系石が多かった. 根治切除例の術前診断率は正診率16.3%と悪かった. 補助検査では現時点では血管造影法が最も有用であった. 根治切除例の術後遠隔成績ではNevinに準ずるStage II (筋層までの浸潤のもの) までは成績は良好であったが, StageIII以上になると極端に成績は悪くなった. 術式別にみると, Stage IIまでは単純胆摘と拡大胆摘ではその成績に差がみられなかった. Stage III以上では手術が拡大されているにもかかわらず, その成績は悪かった.
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