日本消化器外科学会雑誌
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消化器術後敗血症
石引 久弥安藤 暢敏
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1980 年 13 巻 8 号 p. 950-955

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抄録
消化器術後敗血症50例について感染症治療と呼吸循環機能管理の観点からの検討を行った. 血中分離菌は腸内細菌を主体とする好気性グラム陰性桿菌が64%を占め, Klebsiella pneumoniaeがそのうち38%と最も多かった. ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌, 嫌気性菌も注目された. 敗血症性ショックは58%に発生し, その致死率は69%で非ショック例におけるそれは29%であった. 汚染菌源は内因性で手術対象臓器と考えられ, 消化管縫合不全が大きな背景因子であった. 適正な化学療法剤投与は有意に死亡率を低下させ生存率は70%であるのに対し, 非適合の場合のそれは47%であった. 4型にわける呼吸循環動態の把握は臨床治療上有用であった.
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