日本消化器外科学会雑誌
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胆石, とくにコレステロール結石生成における腸管内細菌の意義について
とくに無菌動物を使用して
岡村 俊一郎
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1981 年 14 巻 11 号 p. 1614-1625

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抄録
従来より腸内細菌は, コレステロールおよび胆汁酸を代謝し, コレステロール結石生成に強い影響を与えていることが報告されている.
今回, 無菌マウスにE. coliとS.faecalisを単独に, あるいは両菌を混合投与して人工フローラを作製し, 10%cholesterol+0.5%cholic acid含有食を摂取させた. この結果, 胆嚢内結石形成率をみると, 無菌群では4週目すでに100%であるのに対して, E.coli単独汚染群では4週目80%, 8週目100%であり, S.faecalis単独汚染群では67%, 89%そして両菌混合汚染群では73%, 92%と無菌群に対して低率であった.この様にE.coliとS.faecalisが単独または同時に存在することによりコレステロール結石形成が抑制された事実を明らかにした.
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