1981 年 14 巻 7 号 p. 1069-1081
ビリルビン系石に対する直接溶解剤の開発を目的として, 鎖状ポリリン酸の鎖長とカルシウムキレート効果の関係を明らかにするとともに, キレート剤の生理的条件下でのキレート効果を明らかにするために, 種々のキレート剤のpH7.4, 温度37℃ における条件安定度定数を求め比較検討した.
その結果, 鎖状ポリリン酸を含む種々のキレート剤のキレート効果には, この条件下では著しい差異はなく, 今までに報告されたこれらの毒性の結果を併せ考える時, 鎖状ポリリン酸キレート剤 (LPPC) は, 現在のところ最も有効なビ系石直接溶解剤の1つであると結論した.