日本消化器外科学会雑誌
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肝障害とインスリン反応との関連性に関する臨床的, 実験的研究
小林 衛武藤 正樹米沢 健鬼頭 文彦横井 隆志呉 宏幸新明 紘一郎土屋 周二嶋田 紘
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1985 年 18 巻 11 号 p. 2323-2328

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抄録

臨床例では, 急性肝炎, 閉塞性黄疸, 肝硬変の順に耐糖能は低下し, インスリン反応は閉塞性黄疸のみ低下し, 他2者は高かった.実験的には, 末梢静脈血インスリン反応は肝障害犬全体に低い傾向にあったが, 門脈血インスリン値は, 閉塞性黄疸犬と慢性CCl4犬で高い時期もあり, 肝のインスリン取り込みも亢進していた.劇症肝炎を想定したDMNA犬では門脈血インスリンも肝の取り込みも低く, インスリン・グルカゴン療法の合理性が裏付けされた.前2者は代償性の肝障害, 後者は非代償性の肝障害であると推定され, 肝障害と門脈血インスリン動態および肝のインスリン取り込みとの関連性が示された.

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