抄録
教室にて経験した小児期Crohn病手術症例7例について, 成人Crohn病と比較しつつ, 手術適応, 術後再発, 術後生活状況などに関する検討を加え報告した. 小児例における手術適応は成人例に準ずると思われたが, 手術症例のretrospectiveな検討により術後X線学的に再発を認めた症例でも, 生活状況は概ね良好であったことを考慮するなら, 特に小児期には入院期間をできる限り短くし, 身体・精神両面での発育に支障を来たすことなく日常生活を送らせることが重要である. このためには, 症例によっては早期に手術に踏み切る必要があると思われた.
腸切除は再手術によるshort bowel syndromeを防ぐ意味でも, 最小限にとどめるべきであろう.