日本消化器外科学会雑誌
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肝硬変による食道静脈瘤症例に対する手術時の予後判定に関する検討
久保 周東権 広木村 茂永井 勲難波 康男藤原 恒弘
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1986 年 19 巻 12 号 p. 2325-2332

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抄録

肝硬変を基盤にした食道静脈瘤症例69例を対象として検討し, 肝障害を合併した症例の予後判定指数 (PI) =0.546 (Alb)-0.281 (TB)-0.003 (GOT) +6.754 (K-ICG) +0.011 (PT)-0.283の算定式を得た.PI≧3.2である安全域 (I) 症例は予後良好であった.2.6≦PI<3.2を示す境界域 (IIA) 症例は, 手術操作や術前後の管理ミスにより術後合併症を伴いやすい.2.0≦PI<2.6を示す境界域 (IIB) 症例は, 手術時期・操作, 術前後管理に万全を期さないと術後重篤な合併症を伴う危険性が強い.PI<2.0を示す危険域 (III) 症例では術後重篤な合併症が多く発生しており, 外科的治療よりも内科的治療を優先すべきである.

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