日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
食道静脈瘤症例に対するリスク評価法と直達手術の成績
志田 晴彦平岩 正樹増田 幸蔵石丸 純松村 健三今成 朋洋町田 武久山本 登司長島 郁雄斎藤 英昭浅野 哲
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 20 巻 9 号 p. 2082-2087

詳細
抄録

食道静脈瘤症例に対する手術適応の決定, 術式の選択などに日常臨床検査など8項目から作成したリスクスコアを用い, 手術成績を検討した.対象となった直達手術60例65回のうち入院死亡は6例 (9.2%) であった.経胸手術例のスコア最高値は肝硬変症で2.52であったが死亡例はなかった.経腹手術例の死亡率は, スコア1.8未満で0%, 1.8以上2.3未満で9.5%(スコア作成後は0%), 2.3以上で100%であった.child分類とスコアの関係を見ると, Aが0.86~2.10, Bが1.14~2.52, Cが1.79~3.24に分散した.われわれのリスクスコアは, ICG, PT時間などを含めより細かい検討を可能にし, 有用と思われた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top