日本消化器外科学会雑誌
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消化器外科手術前後のantithrombin III測定の意義
井上 晴洋杉原 国扶山下 哲男桜沢 健一竹村 克二波多野 誠毛受 松寿飯島 正道山崎 繁遠藤 光夫
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1987 年 20 巻 9 号 p. 2191-2196

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抄録

消化器外科23症例について術前術後におけるアンチトロンビンIII (以下ATIII) を中心とする変動パターンを調べた.ATIIIは1PODで術前値の約80%に低下し, 4PODで改善傾向をしめし (術前の90%), 7PODでほぼ前値に復するという変動パターンをとった.他例に比べて低下傾向をしめす症例が5例認められたが, いずれも化膿性胆管炎をはじめとする重症感染症をもち術後の回復に難渋した症例であった.したがってATIIIの測定はDICにまでいたらない症例においても他のマーカーにおとらず病態の把握に有用であった.とくに1PODから4PODにおける改善の有無が術後回復期のよい指標になると考えられた.

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