抄録
内視鏡的乳頭括約筋切開術 (endoscopic sphincterotomy;EST) の臨床的意義は, 急性閉塞性化膿性胆管炎 (acute obstructive suppurative cholangitis;AOSC) や胆石膵炎症例に緊急ESTが劇的な効果をもたらすことや, ハイリスク患者に安全に短時間に胆管結石の除去が可能な点でとりわけ大きい.われわれは1974年10月以来, 胆管結石例に対する1,080症例を経験し, 切開成功率98.9%, 結石除去率93.1%と良好な成績を得た.重篤な合併症は, 初期の2例がAOSCと急性膵炎により死亡した (死亡率0.2%).なお穿孔例が皆無であったことは, 切開をコントロールしやすい先端の長いpapillotomeの使用に負うものと考える.Papillotomeの選択的胆管内挿入の因難な例には, 安易にプレカットを行うことなく, ガイドワイヤー方式などを駆使して選択的胆管内挿入のもとにESTを行うべきである.EST手技と切石術の実際につき解説し, 長期成績にも言及した.最後に, EST後18年経過した症例のERC像と乳頭切開部の内視鏡像を供覧した.