日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
肝門部胆管癌再発形式と術式選択のための術前診断・肝予備能把握
浅野 武秀榎本 和夫山本 宏小林 進長島 通植松 武史天野 穂高中郡 聡夫木下 弘寿岡住 慎一所 義治牧野 治文松井 芳文磯野 可一
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 27 巻 10 号 p. 2332-2336

詳細
抄録

1973年5月より1993年12月までに教室で切除しえた肝門部胆管癌63例について再発形式を検討すると, 相対非治癒切除以上においては, 肝側断端再発が57.1%をしめる.hwを0としえた例ではその頻度は少なくhw0を目指した手術の拡大が必要と考えられた.そのためには正確な進展度診断に基づく理想的術式の想定と, 肝予備力検査よりの安全切除限界とのすりあわせが肝要である.
肝側への進展度診断には従来の方法に加え, シネ胆管像による動画像, 静止画像による読影が各胆管分岐部の観察を可能とし有用であった.また安全切除限界の決定にはMEGXテストとHPS測定による肝予備力測定が有効である可能性が示唆された.加えてメチオニンーPETは肝の部位別のアミノ酸利用を表現しえると考えられ, 肝の部位別に異なる機能を表現できる新しい指標と成りえると考えられた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top