日本消化器外科学会雑誌
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十二指腸温存膵頭全切除術の術後消化機能に関する研究
原田 信比古
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1994 年 27 巻 3 号 p. 781-788

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抄録
十二指腸温存膵頭全切除術 (DpPHR) 15例の術後消化機能および消化管ホルモン分泌能を, 全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術・胃膵胆配列再建 (PpPD) 14例を対照として比較検討した.術後の食餌負荷後2時間のsecretin分泌増加累積和 (ΣΔ) は, PpPDでは7, 5±0.8ng-min/ml, DpPHRでは9.0±1, 5ng-min/mlであった.術前値に対する術後1年経過時の膵外分泌機能はPpPDで64%, DpPHRで88%であった.術後の食餌負荷に対するgastrin分泌能, 術前後の胃酸分泌能, 膵内分泌機能, および術後1年経過時までの血液生化学検査値, 体重の推移では両群間に差はみられなかった.膵頭切除における十二指腸温存は, 遠隔時の膵外分泌機能維持に寄与する可能性が示唆された.
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