日本消化器外科学会雑誌
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食道癌術後follow upにおける血中CEA, SCC抗原測定の有用性
生田 肇浜辺 豊成田 晃一白石 勉松浦 俊彦西田 勝浩大澤 正人山本 正博斎藤 洋一
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1996 年 29 巻 11 号 p. 2069-2074

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抄録

食道癌切除後症例のうち血中CEA, SCC抗原濃度の両者を測定した52例を対象とし, 再発例の陽性率, 経時的推移およびcombination assayについて検討した.再発例は23例でCEAのsensitivity56.5%, specificity 89.7%, accuracy 75.0%, また, SCC抗原ではそれぞれ60.9%, 93.1%, 78.8%であった.Combination assayではsensitivity 78.3%, specificity 86.2%, accuracy 82.7%と両者を測定することによりsensitivityが向上した.また, 対象例のなかで術前にCEA, SCC抗原を測定した症例の術前陽性率はCEA15.6% (7/45), SCC抗原13.5% (5/37) と低率であったが, 再発例の術前陽性例5例では術後いったん正常に復し再発時に再上昇した.また, 術前陰性例でも再発時に陽性となる症例がCEAで11例, SCC抗原で8例あり, また, 再発時の治療効果を反映した症例もみられた.従って, 食道癌術後にCEA, SCC抗原の両者を測定することはfollow up上有用と考えられた.

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