日本消化器外科学会雑誌
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早期胃癌minimally invasive surgeryにおける長期予後とQOL
久保田 哲朗石川 洋一郎一色 聡一郎横山 剛義藤田 晃司五十嵐 直喜石川 秀樹大上 正裕大谷 吉秀熊井 浩一郎北島 政樹
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1998 年 31 巻 4 号 p. 1015-1019

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抄録

潰瘍のないm胃癌に対して, 分化型1cm以下は内視鏡的粘膜切除 (EMR), 隆起型2.5cm以下, 陥凹型1.5cm以下は腹腔鏡手術, それ以上の症例にはD1+7番リンパ節郭清手術を適応とした.EMR130症例の8年生存率は開腹胃切除を受けたm胃癌症例と同等であり, 腹腔鏡手術61例の5年生存率は100%であった.D1+7番縮小手術185症例の5年生存率はD2手術と同程度であった.アンケート調査による術後QOLの検討では, 局所切除のQOLは開腹手術よりも良好であった.縮小手術の愁訴は標準D2手術に比べて便通異常の点で良好であった.局所切除, 縮小手術は症例のQOLを保持したまま長期予後を望みうる術式として有用であると考えられた.

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