日本消化器外科学会雑誌
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腹腔鏡補助下幽門側胃切除術の適応に関する検討
白石 憲男安達 洋祐森本 章生佐藤 浩一北野 正剛
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1998 年 31 巻 4 号 p. 1024-1027

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抄録

腹腔鏡下手術の発展に伴い, 悪性腫瘍に対する適応の拡大は著しい.我々は, 1991年腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (laparoscopy assisted distal gastrectomy: LADG) を開発し, D1+α のリンパ節郭清を必要とする早期胃癌に対する定型的手術と位置づけ施行してきた.根治性の維持という点より, 本術式におけるリンパ節郭清のアプローチについて述べ, さらに術前深達度診断の正診率, 適応とならなかった病変の病理検索を行い, LADGにおける適応について論じた.LADGを現在までに36例施行した.リンパ節転移を有したものは, sm癌の3例に認められたが, いずれも根治手術であった.現行の適応は, 十分根治性を維持しえたものであったが, m癌における潰瘍瘢痕併存・sm癌の術前深達度診断など, 今後LADGの適応の拡大を考える際に重要な課題であることが示された.

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