日本消化器外科学会雑誌
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肝転移切除後再発に対するマイクロ波凝固療法に起因した胆管気管支瘻の1例
尾関 豊角 泰廣山田 卓也山内 希美吉田 直優小田 泰崇
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1999 年 32 巻 11 号 p. 2577-2581

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抄録

大腸癌肝転移再発に対するマイクロ波凝固療法 (以下, MCT) の後に, 肝内bilomaから胆管気管支瘻を形成し, 治療に難渋した症例を経験したので報告する.
症例は61歳の男性. 1996年9月, S状結腸癌同時性多発肝転移でS状結腸切除および拡大肝右葉切除術を施行した. 認めたため経皮的ドレナージを行った. 左肝内胆管から胆汁の漏出を認め, また, 左肝管に高度の狭窄を認めたため胆道ステントを留置した. 1998年5月, 胆汁を喀出するようになり, 右横隔膜下ドレナージを施行したところ, 胆管と右気管支が交通して描出された. いったん, 瘻孔は閉鎖したが再び胆汁を喀出するようになったため, 同年8月21日に肝内側区域切除, 左肝内胆管空腸吻合, 気管支側瘻口の閉鎖術を施行した. 胆管気管支瘻はまれであるが, MCTの注意すべき合併症と考えられた.

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