胃癌根治手術後4か月後に臍部にいわゆるSister Mary Joseph's noduleとして再発し, 再切除後1年6か月後の現在, 無再発生存中の1例を経験したので報告する. 症例は65歳の女性. 胃癌はBorrmann III, P0, H0, M (-), mucinous carcinoma, se, ly3, v1, n1 (+), ow (-), aw (-), stage IIIa であった. 外来通院中に臍部からの浸出液と腫瘤を触れて来院した. 精査の結果臍部皮膚転移の診断にて, 腫瘍から1cm離れて腹壁切除した. 腫瘍は原発巣と同じmucinous carcinomaであり再発転移であった. 転移再発の機序として, 術中操作による腫瘍細胞の臍部へのimplantationが最も可能性が高いと考えられた.