日本消化器外科学会雑誌
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AIDSに合併した小腸悪性リンパ腫穿孔の1手術例
牧野 洋知高橋 正純武田 和永大田 貢由金村 栄秀橋本 邦夫小金井 一隆石山 暁鬼頭 文彦福島 恒男
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2001 年 34 巻 8 号 p. 1336-1340

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抄録

AIDSに合併した小腸悪性リンパ腫の穿孔性腹膜炎を緊急手術により救命しえたので報告する. 症例は32歳の男性. 平成8年9月カンジダ性食道炎, 食道潰瘍を契機にAIDSと診断され. 当院の感染症科で治療を開始された. 平成10年12月から右上顎洞悪性リンパ腫に対し放射線療法を施行した. 平成11年9月, 悪性リンパ腫の肺, 骨, 腹腔転移を認め, 腹部CTで小腸に6.5×6cmの腫瘤を認めた.平成12年3月2日, 腹痛が出現し, 消化管穿孔の診断で手術を行った. トライツ靱帯から250cmの空腸から回腸にかけて計7カ所の腫瘤を認め, 口側から2番目の腫瘤が穿孔しており, 空腸・回腸部分切除, 腹腔ドレナージ, 空腸瘻造設術を施行した. 病理組織学的に腫瘤は非ホジキンリンパ腫, B細胞型であった.術後は合併症なく. 14病日から経口摂取可能となり2回外泊可能となったが悪性リンパ腫の進行により143病日に死亡した.

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