日本消化器外科学会雑誌
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緊急手術を施行した好酸球性腸炎の1例
飯塚 亮二斉坂 雄一竹中 温泉 浩高橋 滋柿原 直樹松村 博臣上原 正弘庄野 泰規加藤 元一
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2003 年 36 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

イレウスで緊急手術を施行し, その原因が好酸球性腸炎と考えられた1例を経験したので報告する. 症例は48歳の男性. 平成13年3月18日昼頃なま鰯を食べた後, 臍周囲に腹痛が出現し, 翌日当院受診, 原因不明の急性腹症と診断し腹腔鏡下に腹腔内を検索した. 混濁した腹水が著明に増量しているのを認め, Treitzより約250cmの小腸に約10cmにわたり全周性の輪状狭窄を認めた. また, その部位以外の小腸も拡張を認めたが, イレウスとなる原因は認められなかった. 小切開による開腹手術に移行し, 狭窄部位を切除した. 切除標本で小腸の粘膜下層の強い浮腫と好酸球浸潤を認めたが虫体などによる刺入を疑わせる潰瘍の形成および虫体そのものは認められず, 好酸球性腸炎と診断した.

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