日本消化器外科学会雑誌
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腹腔鏡補助下膵部分切除術を施行した膵内副脾epidermoid cystの1例
阪本 研一広瀬 一山田 卓也安村 幹央松尾 浩島本 強仁田 豊生水谷 知央二村 直樹下川 邦泰
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2003 年 36 巻 4 号 p. 278-282

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抄録

膵嚢胞性腫瘍を疑い腹腔鏡下膵切除術を施行したところ, epidermoid cystを伴った膵内副脾と判明した1例を経験した. 症例は40歳の女性. 症状はなく, 血液検査でCA19-9高値, 腹部CTで膵尾部腫瘤性病変を指摘された. CA19-9は71.5U/mlと高値で, 病変は境界明瞭な長径20mm大で嚢胞部分と実質部分からなり, 嚢胞壁の一部に壁在結節様の部分を認めた. 超音波内視鏡で腫瘤内部は均一な低エコーで, MRCPとERCPで膵管の狭窄や拡張像はなく, 血管造影では均一な腫瘍濃染像を認めた. 膵粘液性嚢胞腫瘍を疑い, ハンドアシスト法を用いた腹腔鏡補助下脾温存膵尾部部分切除術を施行した. 腫瘤は暗赤色と黄褐色の2つの成分から構成されていた. 前者は脾組織, 後者は明らかな角化像および皮膚附属器成分を認めない重層扁平上皮で被覆された嚢胞で, epidermoid cystを伴った膵内副脾と診断した.

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