日本消化器外科学会雑誌
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術後腹膜再発に開腹手術を繰り返し治癒しえたと思われる病期IV盲腸癌の1例
内藤 春彦折茂 達也皆川 のぞみ濱田 朋倫安達 大史白戸 博志近藤 啓史荻田 征美
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2003 年 36 巻 6 号 p. 493-496

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抄録

症例は63歳の女性で, 盲腸原発の粘液癌, n2 (+), p2 (S状結腸近傍) に対し回盲部切除+D3郭清+腹膜転移摘除およびマイトマイシン10mg散布施行した. 1年3か月後よりCEA値上昇がみられ, CT, MRI, 内視鏡検査にて異常所見はなかったが, 十分な説明と同意のもとに2年3か月後試験的開腹術を施行した. 手術創下, 腹壁, 吻合部, ダグラス窩に計5個の腫瘤をみとめ, これらを摘出した. 初回手術より5年3か月後, CT上, 脾臓腫瘤をみとめ脾臓摘出術を施行した. この際の洗浄細胞診はclass Vであった. マイトマイシン10mg腹腔内散布した. これら腫瘍はすべて粘液癌であった. 術後5'DFUR 800mg/日を6年間投与し, 初回手術から13年6か月の現在無治療であるが無病健存である.

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