日本消化器外科学会雑誌
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慢性B型肝炎に続発した肝lymphoplasmacytic lymphomaの1切除例
山田 豪末永 裕之桐山 幸三和田 応樹谷口 健次平井 敦五島 岸子藤井 努竹田 伸中尾 昭公
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2004 年 37 巻 6 号 p. 669-674

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抄録

症例は60歳の女性で, 不整脈, 高血圧, 慢性B型肝炎にて近医に通院中, 腹部超音波検査にて肝左葉に腫瘤を指摘され, 当院に精査加療目的で紹介された. 諸検査結果から, 肝S3の40mm×30mm大の肝細胞癌と診断し, 肝左葉外側区域切除術を施行した. 病理組織学的にはlymphoplasmacytic lymphomaで, 6か月後も体表リンパ節の腫脹や脾腫が証明されず, 肝以外の腹部, 胸部CT, 骨髄, 末梢血液像に異常が認められなかったため, 肝原発悪性リンパ腫と診断した. 肝原発悪性リンパ腫は比較的まれな疾患で, 切除例としては本邦で19例目であり, 肝lymphoplasmacytic lymphoma は2例目である. 肝切除と化学療法の併用で長期予後が期待されると考えられた.

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