日本消化器外科学会雑誌
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C型肝炎ウィルス消失後に発生した肝細胞癌と肝内胆管癌の重複癌の1切除例
岡本 直子寺本 研一高松 督落合 高徳入江 工野口 典男川村 徹有井 滋樹猪狩 亨
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2004 年 37 巻 8 号 p. 1401-1406

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抄録

症例は68歳の男性で, 1995年にC型肝炎と診断された. 2000年にインターフェロン療法によりC型肝炎ウィルスは消失した. その後もHCV-RNA は陰性であったが, 2002年8月に肝S2およびS8に腫瘍を指摘され, 肝細胞癌の診断のもと経カテーテル的肝動脈塞栓術 (transcatheter arterial embolization: TAE) が行われた. しかし画像上, S2腫瘍は肝内胆管癌を疑い, また同部位のTAEの効果も不十分であったため, 外側区域切除およびS8部分切除を行った. 切除標本の病理組織学的検索では, S8は肝細胞癌, S2は肝内胆管癌であり, 重複癌と診断された. C型肝炎ウィルス消失後同一肝内の異なる場所に発生した肝細胞癌と胆管細胞癌の重複癌はまれなので報告する.

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