日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
肝硬変・transjugular intrahepatic portosystemic shunt術後状態で腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した1例
飯田 敦石田 誠片山 寛次山口 明夫
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 37 巻 8 号 p. 1412-1416

詳細
抄録

肝硬変症例に対する鏡視下手術の際, 気腹圧による門脈血流の低下による肝機能悪化, シャント術後例では, 高アンモニア血症増悪が懸念される. TIPS術後の胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の報告は過去になく, 安全に行いえたので報告する.「症例」50歳の男性.「既往歴」HBVキャリア. 42歳; 肝硬変, 膵動静脈奇形による門脈圧亢進症に対しTIPS施行.「現病歴」2000年8月胆嚢結石症を発症し入院.「血液生化学所見」PLT 73,000/肝硬変症例に対する鏡視下手術の際, 気腹圧による門脈血流の低下による肝機能悪化, シャ ント術後例では, 高アンモニア血症増悪が懸念される. TIPS術後の胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の報告は過去になく, 安全に行いえたので報告する.「症例」50 歳の男性.「既往歴」 HBVキャリア. 42歳; 肝硬変, 膵動静脈奇形による門脈圧亢進症に対しTIPS施行.「現病歴」 2000年8月胆嚢結石症を発症し入院.「血液生化学所見」PLT 73,000/μl, PT 12.8sec, ヘパプ ラスチンテスト58.4%, ZTT 16.9U,アンモニア88μg/dl, ICG 15分値44%.「手術」腹壁吊り上げ法により, 腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した. 黒色石5 個を認めた. 血中アンモニア値は術 後3日目に112μg/dlと上昇したが軽快し術後7 日で退院した.「結語」肝硬変・TIPS術後, 慢

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top