日本消化器外科学会雑誌
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治療経過中に胃転移を来した腹膜原発表在性漿液性乳頭状腺癌の1例
木村 亨西川 和宏岩瀬 和裕青野 豊一中井 澄雄藤井 眞松田 宙木村 勇人三方 彰喜田中 康博
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2008 年 41 巻 9 号 p. 1752-1757

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抄録

症例は59歳の女性で, 平成15年3月性交時の違和感を主訴に近医産婦人科を受診, 血中CA125高値と腹水を認め紹介となった. 精査にて腹膜原発表在性漿液性乳頭腺癌と診断され, 術前化学療法(CBDCA/TXL)の後, 両側付属器切除, 大網切除, 骨盤内および傍大動脈リンパ節郭清と同一レジメンでの術後化学療法が施行された. その後, 腫瘍の再発と消失, 血中CA125値の再上昇と正常化を繰り返しながら経過していた. 平成19年1月頃より胃部膨満感が出現し, 血中CA125値の再上昇を認めた. CTおよび上部消化管内視鏡検査にて幽門前庭部後壁に2cm大の腫瘍を認めた. 臨床経過から胃粘膜下腫瘍あるいは表在性漿液性乳頭腺癌の再発と診断し, 平成19年5月胃部分切除術を施行した. 肉眼検査所見では胃漿膜面に異常所見を認めず, 粘膜下腫瘍を強く疑わせる所見であり, 病理検査にて表在性漿液性乳頭腺癌の胃転移と診断された. 胃転移巣切除術後6か月を経た現在, 再発は認められていない.

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