日本衛生学雑誌
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集中維持機能(TAF)に関する研究 (V)
自律神経平衡とTAFの変動
高桑 栄松中平 成也池田 弘増川 寿治
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1965 年 20 巻 5 号 p. 336-339

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抄録

被験者を250∼4,000c/s, 80∼95 phonのmulti-toneに曝露することにより次の如き成績を得た。
1. a) 血清中非特異Choline-estelase活性値に有意な上昇が認められた。
b) Kestner皮膚毛細血管反応では,発赤時続時間に有意な短縮をみた。
c) Mecholyl-test SwDの有意な上昇を認めた。
これらの成績は騒音により自律神経機能に何等かの変動の生じたことを示している。
2. a) TAF-Lは有意の低下を示した。なおTAF-Lの0.5を越える顕著な低下を示したものは6名である。
b) TAF-LとMecholyl-SwD及びSI(絶対値)の相互間に有意な相関を認めた。
これらのことは視床下部におけるhomeostatic defenceの上昇と集中維持機能の低下との間に明らかな関連のあることを示唆している。

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