日本衛生学雑誌
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脂肪負荷後の血漿による post-heparin Lipoprotein Lipase の活性の阻害について
小池 重夫駒谷 美智子川口 毅
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1967 年 22 巻 4 号 p. 481-486

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抄録
脂肪負荷後の血漿をヘプリン投与後のウサギの血漿と共に Ediol 基質に加えて遊離する脂肪酸量を経時的に測定した。その量をプロットすると直線が得られるか, その角度から Lipoprotein Lipase の阻害度を推定した。学生に50∼80gのバターを早期空腹時に与え, 摂食前と3時間後に採血して platelet-rich plasma と platelet-poor plasma に遠心分離し, Lipoprotein Lipase の阻害度を比較観察した。Platetet-poor fasting plasma, platelet-rich lipemic plasma, platelet-poor lipemic plasma はいずれも platelet-rich fasting plasma 及び, 対照の生理的食塩水に比べて post-heparin Lipoprotein Lipase の活性を阻害した。この3者の 中 platelet-poor lipemic plasma が最も強く阻害していた。
次に, 白鼠を2群に分ち1群にはオリーブ油を他の群には対照として葡萄糖を経口投与した。3時間後に心臓穿刺により採血し, 同時に肝を摘出して, 血漿及び肝のトリグリセライドとコレステロール量を測定した。オリーブ油投与群の血漿及び肝のトリグリセライドは雌雄共に対照群に比べて顕著に増加していたが, コレステロール量には両群間で有意差は見られなかった。
オリーブ油投与群の Lipemic plasma は対照群の血漿に比べて post-heparin Lipoprotein Lipase の活性を著明に阻害し, Lipemic plasma 中に inhibitor の存在が示唆された。
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