日本衛生学雑誌
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アルキル鉛化合物の生体内動態と微量分析法に関する研究
第1編 アルキル鉛化合物の分析法
早川 清子
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1971 年 26 巻 4 号 p. 377-385

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抄録
従来, アルキル鉛化合物は有機化合物のままの形での定性定量はともに困難であったがガスクロマトグラフ (GC) を使用して微量分析ができるようになった。特に生体試料たとえば血液, 尿, 臓器中のアルキル鉛の直接微量分析ができる。
GCの条件は充填剤として, 四メチル鉛 (4ML) の場合, 7% Apiezon L, 四エチル鉛 (4EL) の場合1.5%SE-30, 塩化三メチル鉛 (3ML), 塩化三エチル鉛 (3EL) の場合は10%1.4BDSあるいは10%DEGSを用いる。カラムはガラスカラムを, 検出器はECDを使用する。
検出限界は4ML, 1×10-9g, 4EL, 3ML, 3ELは1×10-11gに達した。生体試料からの抽出は塩酸酸性で有機溶媒 (ベンゼン, 酢酸エチル) により行なう。抽出液に夾雑物の多い時は3ML, 3ELの場合は1%HNO3溶液で抽出し, 3ALを水層に移しふたたび有機溶媒に抽出することで Clean up することができる。
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