日本衛生学雑誌
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健康食品中のニンニク滋養強精成分スコルジニンの酵素法による定量
畑中 久勝金田 吉男
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1980 年 35 巻 5 号 p. 746-751

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抄録
ニンニクの殺菌作用及び血液毒などの副作用は有臭成分アリシンによるとされ, 一方, 脱コレステロール, 細胞再生などの有用な生化学的作用は無臭結晶性のスコルジニンに由来すると小湊は報告した。そのため, スコルジニンは広くドリンク剤などの健康食品に配合されているが, それら製品中のスコルジニン定量法はいまだ確立されていない。
スコルジニンをアルカリ加水分解するとき, 再現性よく生成する乳酸量を指標とする健康食品中のスコルジニン定量法を検討した。即ち, 加水分解物溶液中の乳酸を乳酸脱水素酵素を用いて定量し, 別に求めた乳酸とスコルジニンとの対応関係を利用して, 試料中のスコルジニン含量を算出する方法を確立した。検液中の塩化ナトリウム (約1%) は乳酸の定量を妨害せず, また試料由来の紫外線吸収物質は超遠沈 (12,000G) で除去できた。
本法を市販のスコルジニン含有粉末状製品1種及び錠剤2種に適用してみたところ, その含量はいずれも表示量に対して含量許容偏差内の値であった。
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