日本衛生学雑誌
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日本人の常用食品の消化吸収率とエネルギー利用率に関する研究
第2報 鰺と牛乳
藤井 正信三好 保今木 雅英山崎 亮治中村 武夫棚田 成紀
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1989 年 44 巻 4 号 p. 905-910

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抄録

日本人が日常よく摂取している牛乳と魚介類(鰺)について,日本人を被験者としたこれらの動物性食品の消化吸収率およびエネルギー利用率に関するデータは,ほとんどないのでこれらの値を算出した。対象者は日本人青年4名である。最初の7日間を基礎食期,それに続いで牛乳および鯵のテスト期を各々7日間とした。実験期間中に排泄された糞と尿は,全量採取し分析に供した。基礎食期とテスト食期の成分の差によって,消化吸収率およびエネルギー利用率を算出した。以下はその結果である。
1) 蛋白質の消化吸収率は,牛乳97.3±4.1%,鰺は96.8±2.8%であった。
2) 脂質の消化吸収率は,牛乳96.7±1.9%,鰺は98.6±2.6%であった。
3) エネルギー吸収率は,牛乳96.3±3.0%,鰺は96.9±5.0%であった。正味エネルギー利用率は,牛乳92.5±2.9%,鰺は88.4±5.2%であった。
4) 食品100g当りの利用エネルギーは,牛乳57.4kcal,鰺152.9kcalであった。

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