抄録
1. 地域設定の一つの指標として農業依存率を用いた。
2. 両市の隣接地域には農業依存率が低く,また零細経営・粗放経営化の傾向を示す地域(a)が分布し,その外側に兼業率がやや低下し,農業経営の集約化される地域(c)が分布する。
3. すでに云われているように経営規模と土地生産性・労働生産性との間には正の相関々係が認められるが,これは都市への依存度や自然条件によって(山村であるか平地村であるかということによって)必ずしも同一傾向を示さない。
4. 経営規模とそのVとの間には負の相関々係が認められるが,これも兼業率の相違によって乱される。