抄録
頸部は頭部と体幹を結ぶ部位という特殊性から,機能と美容の両面から再建に求められる要求は高く,しばしば再建法の選択に苦慮する。広範囲にわたる後頸部軟部組織欠損においては,これまで再建手段として僧帽筋皮弁の他に広背筋皮弁,肩甲皮弁など様々な有茎皮弁が用いられてきた。今回我々は再発を繰り返しNeurofibromaの悪性転化した後頸部のMalignant perineural nerve sheath tumor(MPNST)の根治切除後の症例に対し,bilobed僧帽筋皮弁による再建を経験した。bilobed僧帽筋皮弁による後頸部再建は,他の遊離皮弁と比較しての手術時間短縮だけでなく,術後の日常生活をおくる上で大切な頸部の機能面としての可動性及び露出部における美容面でのcolor match,texture match,contour等において,有用な再建方法であると考えられた。