頭頸部癌
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中・下咽頭(頸部食道癌を含む)
化学放射線療法施行後の遺残,再発症例に対する下咽頭喉頭全摘術の治療成績
竹村 博一林 隆一山崎 光男宮崎 眞和鵜久森 徹大幸 宏幸篠崎 剛櫻庭 実矢野 智之河島 光彦全田 貞幹斎川 雅久海老原 敏
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2008 年 34 巻 1 号 p. 47-51

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抄録
(目的)下咽頭・頸部食道癌に対する化学放射線療法後の救済手術の安全性及び効果について検討する。
(対象)1997年~2006年の10年間に,国立がんセンター東病院において下咽頭・頸部食道癌に対する放射線15例(RT)/化学放射線19例(CRT)治療後の原発巣の遺残,再発に対して施行した救済下咽頭喉頭全摘術(以下 Salvage TPLE)34 症例を対象とした。
(結果)救済手術後合併症を32.4%に認めたが,RT群とCRT群で合併症の発生頻度に有意差は認めなかった。再発形式は術後リンパ節再発が最も多く55.6%(10/18)に認めた。CRT後術前N0症例に対する系統郭清なし群の頸部制御率は84.7%であった。観察期間中央値484日におけるCRT後の術後生存期間中央値は392日であった。
(結論)CRT後の症例では,症例の選択や術式の工夫を行う事で安全に実施可能であり,生存期間の延長が期待できる。
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© 2008 日本頭頸部癌学会
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