頭頸部癌
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唾液腺
大唾液腺腫瘍551例の臨床病理学的検討
山元 英崇瀬川 祐一白土 秀樹平川 直也橋本 和樹中島 寅彦小宗 静男恒吉 正澄
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2008 年 34 巻 4 号 p. 548-551

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抄録
唾液腺腫瘍は組織像や生物学的態度が多彩である。適切な診断,治療の発展の基礎となることを目的とし,我々の施設で1983年~2007年の約24年間に手術された大唾液腺原発性腫瘍551例を収集・解析した。その内訳は,上皮性腫瘍537例(97.5%),血液・リンパ系腫瘍10例,間葉系腫瘍4例であった。上皮性腫瘍537例(耳下腺475例,顎下腺62例)中,悪性は123例(22.9%)であったが,悪性の占める割合は,耳下腺20%に対し,顎下腺は45.2%と高率であった。組織型別では多形腺腫285例(53.1%),ワルチン腫瘍104例(19.4%)の順に多く,悪性では,腺様嚢胞癌(25例),粘表皮癌(17例),多形腺腫由来癌(15例)が多かった。また,多形腺腫の癌化は5%(15/300例)程度と推定された。また,多形腺腫由来癌の悪性成分は多彩だったが,高悪性度である唾液腺導管癌も少なくなく,注意が必要である。
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© 2008 日本頭頸部癌学会
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