頭頸部癌
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シンポジウム1
化学放射線療法後の転移リンパ節について
片岡 英幸竹内 英二河本 勝之藤原 和典福原 隆宏三宅 成智北野 博也
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2009 年 35 巻 4 号 p. 350-355

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抄録
進行頭頸部癌に対し化学放射線療法(CCRT)が標準的治療のひとつとして普及してきた。腫瘍抑制効果の高い抗癌剤が開発され放射線治療との同時併用により癌細胞を消滅させることも期待できるようになった。今回,25例に対し化学放射線療法後6~8週後に計画的頸部郭清術を行った。限局した転移リンパ節に対しては選択的頸部郭清術を行い,転移リンパ節が頸動脈と半周以上に渡って接していた症例に対しては全頸部郭清術を行った。病理学的評価は原発制御に関しては良好な結果であったが,転移リンパ節では7例(28%)のviableな癌細胞が確認された。当科では進行例に対してもCCRT後に積極的に頸部郭清術を行ってきたが,それに伴う気道合併症や嚥下障害が問題となった。そこで両側頸部郭清を必要とする症例に対しては一期的に嚥下改善術を行っている。根治性と安全性を重視した救済手術の手技の確立などが望まれる。
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© 2009 日本頭頸部癌学会
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