2006年から2009年までに遊離再建手術を行った頭頸部癌症例37例に対して術後2日目を目標とする早期離床を導入した(早期離床群)。離床に5日以上を要した対照群50例と比較し,早期離床の影響と効果について検討した。
早期離床群において,皮弁壊死が増加することはなく,発症率は対照群と比較しむしろ減少していた。また,不穏・せん妄の発症頻度は13.5%で,対照群に比較し1/2に減少していた。
気道合併症は喉頭摘出の有無に関わらず対照群に比較し,早期離床群で2/3に減少していた。その他の術後合併症頻度は,喉頭摘出術を含む場合,対照群で高く,喉頭摘出術を含まない術式の場合,2群間に差を認めなかった。抗生剤使用期間や解熱までの期間は,早期離床群で有意に短縮していた。
頭頸部再建術後における早期離床は,合併症を減少させ,術後の補助治療までスケジュールを短縮させることが可能と考えられた。