抄録
頸部郭清術における静脈角のリンパ管の処理に対して結紮を中心に用いた群(結紮群)196例232側と超音波凝固切開装置(HARMONIC FOCUS®)を用いてシーリング処理を行った群(FOCUS群)43例56側の2群間で術後リンパ漏の発生についてretrospectiveな検討を行った。結紮群の4例(1.7%)に術後リンパ漏の発生が見られた。そのうちの3例は保存的治療により改善したが,1例(0.4%)では再手術を必要としていた。一方,FOCUS群において術後リンパ漏が1例(1.8%)にみられたが,術後保存的治療にて軽快した。その原因はシーリング処理時に組織牽引の解除が不十分であったためと考えられた。術後リンパ漏の発生頻度に関しては両群間に統計学的な有意差はなかった。HARMONIC FOCUS®を適切に用いて静脈角のリンパ管をシーリングすることにより,安全に処理することが可能であった。