頭頸部癌
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その他臨床
口腔がん再建手術において手術部位感染が治療成績に与える影響についての検討
石川 徹門田 伸也滝下 照章河野 達也平田 裕二
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2013 年 39 巻 3 号 p. 379-384

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抄録
頭頸部がん再建手術は瘻孔や死腔形成などに起因する手術部位感染の発生率が高いことが報告されている。手術部位感染は術後における重篤な合併症であり,その発生が入院期間の延長や医療費の増大を招くことは明らかにされているが,治療成績に与える影響については未だ検討されておらず,十分な検討が必要と考えられる。今回我々は手術部位感染の発生と治療成績についての検討を行った。
対象は2000年2月から2010年7月までの間に四国がんセンター頭頸科において根治切除および遊離皮弁再建を行ったstage IV(T2以上)の口腔がん一次症例52例である。全ての症例において病理組織学的に切除断端は陰性であることが確認されている。手術部位感染が発生した感染群(16例)と発生しなかった非感染群(36例)に群分けし,生存率および再発転移について比較検討を行った。疾患特異的5年生存率は感染群43.8%,非感染群69.4%で両群間に有意差を認めた(p=0.039)。感染群では再発転移をきたす症例が多く,その中でも手術部位感染の発生と頸部皮膚転移に有意な関連がみられた(p<0.0001)。これらのことから口腔がん再建手術症例において手術部位感染が発生した症例では再発転移リスクが高く,生存率も低下することが明らかとなった。すなわち,手術部位感染を予防することは口腔がん再建手術症例における術後QOLの向上のみならず,治療成績自体の向上にも寄与すると考えられた。
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© 2013 日本頭頸部癌学会
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