頭頸部癌
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その他臨床
喉頭摘出後早期における口腔伝導用チューブを用いた電気式人工喉頭発声についての検討
嘉村 陽子岩江 信法平山 裕次米澤 宏一郎手島 直則松居 秀敏古川 竜也森田 成彦
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2014 年 40 巻 1 号 p. 120-125

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抄録

喉頭摘出術後の代用音声として,電気式人工喉頭は術後早期から使用可能である。当院では術直後や放射線治療中に他の代用音声・コミュニケーション手段が使用困難な場合の代替的手段として,口腔伝導用チューブを装着した電気式人工喉頭を試用し,患者・医療者の良好な反応を得ている。しかし,術後早期のコミュニケーション手段としてどの方法が最も実用的であるかは,患者の使用感等の主観に依存する事が多い。その選択肢に発話明瞭度の客観的情報を加えるため,通常型電気式人工喉頭発声と口腔伝導型電気式人工喉頭発声の単語・会話における明瞭度の比較を,成人構音障害者用単語明瞭度検査・会話明瞭度検査を用いて分析・検討を行った。結果,単語・会話明瞭度ともに口腔伝導型電気式人工喉頭発声が,通常型電気式人工喉頭発声と比較し有意に良好な結果が得られ,口腔伝導型電気式人工喉頭発声は,他覚的評価においても術後早期のコミュニケーション方法として有用な手段になり得ると思われた。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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