頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
その他臨床
セツキシマブ併用放射線療法の早期有効性および有害事象の検討
橋本 香里門田 伸也花川 浩之三浦 直一石川 徹西川 敦
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 40 巻 4 号 p. 479-484

詳細
抄録
セツキシマブは,EGFRを標的としたモノクローナル抗体で,現在,頭頸部癌における唯一の分子標的薬である。米国のNCCNガイドラインでは,局所進行頭頸部扁平上皮癌治療の選択肢として,セツキシマブ併用放射線療法が記載されている。当院では,現在まで頭頸部扁平上皮癌11例に適用した。内訳は,中咽頭癌6例,下咽頭癌2例,喉頭癌3例。Stage II4例,III3例,IVA4例。男性10例,女性1例で,年齢は49~81歳(中央値63歳),PSは全例0であった。ほぼ全例で,Grade3の放射線性皮膚炎・口腔咽頭粘膜炎が生じたが,Grade4の有害事象は生じず,全例で治療完遂できた。治療終了12週間後の評価は,全体でCR9例,PR2例であり,Stage III/IVではCR5例,PR2例であった。今後,症例数を積み重ね,長期成績も含めた検討が必要であると考えられた。
著者関連情報
© 2014 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top