頭頸部癌
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Supportive Care
頭頸部癌術後の変形に対するエピテーゼの適用について
吉岡 文尾澤 昌悟
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2015 年 41 巻 3 号 p. 330-334

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抄録
エピテーゼは頭頸部腫瘍により顔面の一部を切除した症例に対する審美的なリハビリテーションとして有効である。エピテーゼはこれまで顔面の一部に欠損を有する症例に適用されてきたが,外鼻の内側を切除し,外鼻は残存しているものの,審美的に満足が得られない症例も存在する。今回,術後変形の見られた外鼻残存症例に対して,CAD/CAM法を用いてエピテーゼを製作した症例を経験したので報告する。症例は頭頸部癌により,術後外鼻に変形をきたした患者2名である。外鼻は残存しているが,同部醜形のため,常時マスクをつけて外出をしていた。外科医とのコンサルテーションの後,エピテーゼによる補綴治療を行うこととなった。3Dスキャナを用いて3Dデータを採得し,ソフトウェア上にてエピテーゼの設計を行った。作業模型とワックスパタンを3Dプリンタにて造型しエピテーゼを完成させ,患者に装着したところ,審美的な満足が得られ,マスクをせずに外出することが可能となった。
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© 2015 日本頭頸部癌学会
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