日本皮膚科学会雑誌
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Systemic Nevus Verrucosusの顆粒変性の組織化学的,電顕細胞化学的研究
沢田 雍子大橋 勝
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1977 年 87 巻 4 号 p. 263-

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抄録
Systemic nevus verrucosus (以下S.N.V・と略す)の顆粒変性部の細胞質内,特に願粒層下部の細胞質内空隙内の物質について組織化学的ならびに電顕細胞化学的研究を行った.その結果,光学顕微鏡ではホルマリン固定の場合より,ルテニウムレッド(以下 R.R. と略す)固定,およびアリューシャソブルー(以下 Al. B. と略す) PH 7.2 で固定した場合の方が,細胞質内物質はよく残り空隙は縮小していた.電子顕微鏡では,2.5% グルタールアルデハイドとオスミウム酸の二重固定では顆粒細胞の細胞質内には空隙が存在し,その部に細線維様構造の物質が認められた.連続切片でのアルカリ性ビスーマス染色では,細線維上に穎粒状粒子 (150Å~300Å)がみられた. Periodate-lysin・paraformaldehyde (以下 P.L.P.と略す)固定および, R.R. による固定法では空隙内にはいずれも細線維上に穎粒状粒子の存在か観察された. 以上より,顆粒変性部の細胞質内空隙にはグリコーゲンではないある種の proteoglycan の存在が考えられた.
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© 1977 日本皮膚科学会
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