喉頭水平部分切除術後に嚥下リハビリテーション(嚥下リハ)を実施し,経口摂取が可能となった2症例(症例1:70歳男性の声門上癌,症例2:67歳女性の声門癌)を経験したので報告する。嚥下リハに先立ち機能的自立度評価表を用いた両症例の認知機能および日常生活動作は,正常であった。嚥下リハの結果,症例1は術後32日目に症例2は術後40日目に粥食摂取が可能となった。下気道防御機能が高度に障害される術式である喉頭水平部分切除術後には,嚥下リハの実施が不可欠である。その際患者自身が,嚥下リハの必要性を理解し実践できる認知機能が保たれていることが安全かつ効果的にすすめる重要な要素であり,その評価を適切に行うことが不可欠である。