頭頸部癌
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頭頸癌診療への挑戦
頸部郭清術における頸神経温存
本多 啓吾
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2017 年 43 巻 3 号 p. 357-361

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抄録
頸部郭清術における頸神経温存の機能的意義と腫瘍学的安全性を検証するために,根治治療の一部として頸部郭清術を行った頭頸部癌(甲状腺癌は除外)を対象として,術後早期の頸部知覚温存率,腫瘍学的結果を後方視的に検討した。87例(129側)で知覚予後を検討した。術後早期の耳垂/顎下部/側頸部の知覚温存率は,頸神経温存側(85側)では順に75/21/74%,頸神経切除側(44側)では順に39/2/5%であった。全ての領域で,頸神経温存側で知覚予後が有意に良好であった(p < 0.05)。222例(335側)で腫瘍学的安全性を検討した。頸神経温存率は,全体で52%(175/335側),予防的郭清側で80%(114/142側),治療的郭清側で32%(61/193側)であった。
3年無病生存率はStage 0-Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳの順に100%/89%/82%/62%であった。3年頸部制御率は頸神経温存側で95%,頸神経切除側で92%であった。頸神経を温存したことによる明らかな不利益は示されなかった。頸部郭清術における頸神経の温存は,低侵襲化の一法として有用である。
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© 2017 日本頭頸部癌学会
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