頭頸部癌
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口腔
口腔粘膜原発有茎性悪性黒色腫の2例と血清5-S-cysteinyldopa(5-S-CD)の推移
赤柴 竜岡田 康男水谷 太尊戸谷 収二高田 正典小根山 隆浩佐藤 英明上田 潤山口 晃
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2018 年 44 巻 1 号 p. 12-17

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抄録
著しい外向性増殖を示した口腔粘膜原発有茎性悪性黒色腫:polypoidal malignant melanoma(PMM)の2例を経験し,また悪性黒色腫の腫瘍マーカーである血清5-S-CDの推移を観察できたので報告する。症例1は51歳の男性。右側下顎臼歯部に55×40×40mmの褐色有茎性腫瘤を認め生検の結果,悪性黒色腫であった。5-S-CDは術前12.5nmol/lから術後3.9nmol/lに低下した。術後3年の5-S-CDはほぼ基準値範囲内であり現在,再発なく経過良好である。症例2は81歳の女性。右側上顎臼歯部に50×40×25mmの黒色有茎性腫瘤を認め,生検の結果,悪性黒色腫であった。5-S-CDは術前26.9nmol/lから術後4.3nmol/lに低下した。口腔粘膜原発PMMは稀な2症例と考えられた。また血清5-S-CDは口腔領域においても有用である可能性が考えられた。
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© 2018 日本頭頸部癌学会
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